少し前まで、保険か適用される詰め物や被せ物は金属製しかなくて、白くて目立たないCAD/CAM冠は保険適用外でした。けれども現在では、条件付きでCAD/CAM冠が保険適用されるようになっています。
今回は、CAD/CAM冠の保険適用範囲を詳しく紹介し、前歯治療にCAD/CAM冠が適用するかどうかをみていきましょう。
CAD/CAM冠とは、コンピュータを用いて設計(CAD)し、コンピュータを用いて製造(CAM)した歯の被せものです。素材はセラミックとプラスチックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」です。
CAD/CAM冠の保険適用範囲とは?
CAD/CAM冠はもともと保険適用外の被せ物でしたが、診療報酬改定を重ねながら少しずつ保険適用範囲が広がってきました。ここでは、CAD/CAM冠の保険適用範囲を詳しくみていきましょう。
CAD/CAM冠は条件付きで前歯から第一大臼歯まで保険が適用(2024年1月更新)
2023年11月まではCAD/CAM冠はの保険適用は、奥歯(第一大臼歯と第二大臼歯)は条件付きでした。2023年12月に改定があり新素材がCAD/CAM冠に加わりました。
現在はすべての歯にCAD/CAM冠が保険適用となりました。(2023年12月)
詳細は「CAD/CAM冠の保険適用は奥歯にも対応!2024年」をご覧ください。
●1〜5番目(前歯~第二小臼歯)→無条件で適用
●6番目(第一大臼歯)、7番目(第二大臼歯)
→2023年12月改定により条件なしで適用
詳細は「CAD/CAM冠の保険適用は奥歯にも対応!2024年」をご覧ください。
<条件>
【6番目:第一大臼歯】上下左右の第二大臼歯がいずれも残存し、過度な咬合圧がかからない場合
【7番目:第二大臼歯】金属アレルギーの方(医師の診断が必要です)
無条件で保険適用となるのは、前歯から小臼歯、つまり前歯から数えて5番目の歯までなので、通常前歯には保険適用でCAD/CAM冠を入れられます。
参考までに、第一大臼歯(前歯から6番目の歯)のCAD/CAM冠を保険で作るためには、第2大臼歯(前歯から7番目の歯)が上下4本とも残っていて、正常なかみ合わせができることなどの条件を満たしている必要があります。
これはCAD/CAM冠の強度による条件ですが、このことについては後ほど詳しく解説します。
また、CAD/CAM 冠で保険適用となるのは単冠のみで、ブリッジや連結冠は作れません。
技術的には作ることができるのですが、この場合は保険適用外となります。加えてブリッ
ジの場合、強度の観点からも CAD/CAM 冠が適用できるケースは限られてしまうのが現状
です。
つまり CAD/CAM 冠は、厚生労働省が定めた適用基準を満たした場合のみ保険適用となり
ます。さらにお口の状態によっては、法的な基準を満たしていてもおすすめできないケー
スもあるというように、CAD/CAM 冠を入れられるケースは限定されているのです。
CAD/CAM冠の最も大きなメリットは、自然の歯に近くて目立たず、金属アレルギーの心配がないメタルフリー治療を、保険適用で選択できるようになったということです。
CAD/CAM冠は保険で手に入る白い被せ物
保険適用のCAD/CAM冠のメリットは、目立たない白い被せ物を保険で作れることです。とくに前歯はよく目立ちます。
保険適用外のオールセラミック冠には及びませんが、CAD/CAM冠はためらいなく歯を見せて笑うことができる白くて自然な口元を、お手頃な費用で手に入れることができるものです。
CAD/CAM冠は金属アレルギーなし
樹脂とセラミックのハイブリット素材でできたCAD/CAM冠には、金属が使われていません。これまで金属アレルギーの方は、保険外のメタルフリー治療を選択せざるを得ませんでした。
しかし、CAD/CAM冠が保険適用で入れられるようになったことで、全身の健康に配慮した歯科治療を気軽に選択できるようになったのです。
CAD/CAM冠のデメリット
保険適用範囲が拡大したことで、これまでの金属製の詰め物から目立たないCAD/CAM冠に変えたいと考える人が増えています。
けれども、保険適用範囲であってもCAD/CAM冠を入れない方が良いケースがあるのです。ここでは、CAD/CAM冠のデメリットをみていきましょう。
CAD/CAM冠の強度は金属冠やオールセラミックに劣る
CAD/CAM冠の強度は、年々向上しています。けれども、金属冠や保険外のオールセラミック冠に比べると、まだ劣っているのです。
歯科医師は患者様の歯ぎしりや噛み癖のほか、他の歯の状態などを考慮して、治療方法や使用する素材を決定しています。
そのためハッピーデンタルクリニックでも、たとえ保険制度において適用可能な部位であっても、CAD/CAM冠が最適とはいえないと判断した場合にはおすすめしません。
CAD/CAM冠は保険適用でもやや高額
CAD/CAM冠は保険が適用された場合でも、従来の銀歯よりやや高額です。部位や大きさなどで異なりますが、3割負担で銀歯だと3,500円程度のものなら、CAD/CAM冠だと6,000円程度の負担が目安となります。
とはいえ、保険外のオールセラミック冠は、数万円から10万円を超えるケースもあるため、CAD/CAM冠はコストパフォーマンスに優れた被せ物といえるでしょう。
種類 | 銀歯 | CAD/CAM冠 | オールセラミック冠 |
保険適用 | ◯ | 前歯から数えて5番目の歯まで◯ ※そのほかは適用条件あり | ✗ |
強度 | ◎ 銀歯は天然歯より硬い ので自分の歯を痛める ことがある | ◯ | ◎ 柔らかすぎず硬すぎずで 強い力が加わった時に 自分の歯を痛めない |
金額(目安) | 3,500円 | 6,000円程度 | 数万円〜 |
CAD/CAM冠が保険でできる歯医者は限られている
保険適用でのCAD/CAM冠は、どこの歯医者でもできるというわけではありません。
CAD/CAM冠を保険適用で提供できるのは、歯科医療機関所在地管轄の地方厚生局に「特掲診療料の施設基準に係る届出書」および「CAD/CAM 冠施設基準届出書添付書類」の届出を行い、受理された歯医者だけです。
もちろんハッピーデンタルクリニックでは、保険診療でCAD/CAM冠を扱っております。
最適な治療プランには欠かせない丁寧なカウンセリング
保険適用のCAD/CAM冠の登場は、目立つ前歯が気になる方や金属アレルギーの方にとって、とても喜ばしいものです。
けれどもCAD/CAM冠では、強度を保つために従来の金属冠より歯を多く削らなければならないケースもあります。
歯科治療を通して生活にハッピーが生まれることを大切にしているハッピーデンタルクリニックでは、最適な治療を行うために丁寧なカウンセリングを行っています。
奥沢6丁目バス停からだけでなく、九品仏駅・奥沢駅・自由が丘駅からも徒歩圏と、ハッピーデンタルクリニックは大変通いやすいところにあります。
CAD/CAM冠を検討されている方は、ぜひハッピーデンタルクリニックまでご相談ください。
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