近年、「セルフエステ」の一環として「ホワイトニング」を行う人が増えています。しかし、その一方で契約トラブルや健康被害が報告されることも増えてきています。
2024年7月31日、国民生活センター
特に、セルフホワイトニングに関する相談が増加しており、専門家からは注意喚起がされています。この記事では、歯科医の立場からセルフエステにおけるホワイトニングが人気な理由、そして問題点をお話します。
エステサロンやスポーツジムで行うセルフホワイトニングとは?
セルフホワイトニングで歯は白くなる?
結論から申し上げますと、セルフホワイトニングでは、歯を白くできません。 セルフホワイトニングは、ホワイトニング用歯磨き粉のようなもので、歯の表面に付いた汚れを落とすことしかできず、歯の色そのものを白くする作用はありません。
その理由は、「歯を白くする薬剤(=過酸化水素)」をセルフエステでは使用できないからです。
過酸化水素には歯の内側まで漂白して「歯自体を白くする」効果がありますが、この歯を白くする過酸化水素の薬剤は歯科医院でしか取り扱いできません。
セルフホワイトニングは医療行為には該当しない
エステサロンやスポーツジムで行うセルフホワイトニングとは、「セルフホワイトニング」に限られ、利用者自身が専用の機器と低濃度のホワイトニングジェルを使用します。
これにより、医療行為には該当しないため、法律的な問題は生じません。ただし、施設は適切な説明と安全な製品の提供を行う責任があります。
簡単に安価にできることから、若い方を中心に手軽に利用されているようです。
知らないと怖い?セルフホワイトニング
セルフホワイトニングは、自宅で簡単に行えることから人気があります。歯を白くしたいけど「できるだけリーズナブルな価格で・・・」と思う気持ちも、とても良く分かります。
金額を抑えたい人にとっては魅力的に感じるセルフホワイトニング。セルフホワイトニングを検討されている方はぜひ読んでみてください。
使用方法の誤りに気をつけてください
セルフホワイトニングキットは、正しい使用方法が求められますが、説明書が不十分だったり、理解しづらかったりすることがあります。使用方法を誤ると、効果が出ないばかりか、歯や歯茎にダメージを与える可能性があります。
薬剤の濃度について
市販のホワイトニングキットには、使用される薬剤の濃度が歯科医の使用するものより低い場合がありますが、それでも過剰な使用は危険です。
また、海外製のホワイトニングキットは、日本では使用が認められていない過酸化水素を使用しているものもあります。高濃度の過酸化水素の製品は使用において危険があるため、日本では歯科医院のみで使用が許されています。
歯やお口の中が繊細な日本人には向いていないことも珍しくありません。
適切な診断の欠如
歯の黄ばみの原因は人によって違います。場合によってはホワイトニングが効果的でないケースもあります。
- 歯の内部に問題がある場合
- 特定の薬の影響で色が変わっている場合
市販のホワイトニングキットには、安全性が保証されていない製品も含まれていることがあります。口内炎や歯茎の炎症、アレルギー反応などの健康被害を引き起こす可能性があります。ご心配な方は、歯科医にご相談することをおすすめします。
歯科医でホワイトニングを行うメリット
では、歯科医でホワイトニングを行うメリットとは?を紹介します。
1. 専門的な診断とカウンセリング
歯科医は、ホワイトニングが適しているかどうかを診断し、最適な治療法を提案してくれます。歯の状態や黄ばみの原因に基づいて、個々に合ったホワイトニング方法を選択できるため、効果が高く、安全性も確保されます。
2. 高濃度の薬剤の使用
歯科医では、市販のキットでは使用できない高濃度の薬剤を使用することができます。これにより、短期間でより効果的なホワイトニングが可能となります。また、歯科医の監督下で行われるため、薬剤の使用によるリスクも最小限に抑えられます。
3. ホームホワイトニングに使う個別にカスタマイズされたトレイ
歯科医で行うホワイトニングでは、患者一人一人に合わせてカスタマイズされたトレイを使用します。これにより、薬剤が歯に均等に行き渡り、ムラのない美しい仕上がりが期待できます。また、歯茎への影響も抑えられるため、快適にホワイトニングを進めることができます。
4.プロフェッショナルなケア
歯科医は、ホワイトニングのプロフェッショナルです。ホワイトニング後のケアや、ホワイトニングを長持ちさせるためのアドバイスも受けることができます。例えば、食事や飲み物の選び方、日常的な歯のケア方法など、ホワイトニング効果を最大限に引き出すためのサポートが受けられます。
5.安全性の確保
歯科医でのホワイトニングは、医療機関で行われるため、衛生管理が徹底されています。使用する薬剤や機器も、厳しい基準をクリアしたものが使用されるため、安全性が高いです。また、万が一トラブルが発生した場合でも、即座に適切な対応が受けられます。
医療用ホワイトニング剤について
医療ホワイトニングとは
医療ホワイトニングとは、歯科医院で、歯科医師、または歯科医師の指示のもと歯科衛生士による診断のもと行うホワイトニングです。 歯の表面の着色汚れだけでなく、内部の黄ばみも分解します。
歯を内側まで白くする医療ホワイトニング
医療ホワイトニングに使われる薬剤有効成分は、歯の表面についたステインだけでなく歯の内側の色素にも作用するため、歯を内側まで白くします。医療ホワイトニング材は、歯に悪い影響があるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし2000年代からは、中性に近い約pH6の薬剤が医療機器として認可され、歯を刺激せずに色素を分解できる製品で医療ホワイトニングが行われるようになってきています。
- 無カタラーゼ症の方(ホワイトニングで使われる過酸化水素を身体で分解できない方)
- 妊娠中、授乳中の女性
- 小児・乳児
- 歯科治療で用いる材料にアレルギーのある方
- 気管支喘息など呼吸器疾患
- 光過敏症 (湿布などのお薬の影響で発現することもあります)
結論:安全に効果的なホワイトニングを行うためには
セルフホワイトニングは手軽でコストも抑えられる一方で、思うような白さにならない可能性が高いものです。安全に効果的なホワイトニングを行うためには、歯科医でのホワイトニングを選ぶことが結果的に最善の方法ではないかと思います。
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